ハンマーや棒で打って奏する板型チター。板型チターと同様に、11世紀に中東から広がり、17〜18世紀にかけて、ヨーロッパで広く人気を博したが、今日では民族楽器としてのみ残っている。弦を叩いて音を出すこの楽器は、現代のピアノの先祖にもあたるものである。
1800年頃にヨーロッパ人によって導入されるまで極東では知られてなかった。
同類の楽器では、イラクのサントゥールや中国の洋琴があるが、日本にはこれに類する楽器はなく、あまり演奏される機会もない。
しかし、ダルシマーの音を聴いた人は、素朴な音色のなかにノスタルジックな思いを多分に感じることだろう。
単純な構造と、可愛い音色、演奏の容易さは、複雑な現代文明のなかでこそ、もっともっと愛されるべきだ。
製作:川竹道夫